2026年3月25日に拙著『物語が生まれるフードツーリズム――消費される食からの脱却、メディアとしての食』(明石書店)が刊行されます。
博士論文をベースにしつつ内容を大きく改稿し、現場の事例についても書き下ろしています。
皆さまから、ご意見やご批判を含め率直なご感想をいただけましたら大変励みになります。ご指導いただいた先生方をはじめ、出版にあたり多大なるご協力をいただいた関係各位に、改めて御礼申し上げます。
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以下、Amazonの書誌紹介から抜粋です。
【食はいかにして“メディア”へと変わるのか 食べて終わりにならない物語経験とは? ナラティヴに着目したフードツーリズム研究の新機軸!】
フードツーリズムにおいて、旅行者はどのように地域と関係を結び、その体験を意味づけていくのか。本書では、食を消費の対象にとどめるのではなく、人と地域をつなぐ「メディア」として位置づけ、旅行者が地域の歴史や文化、人びとの営みに触れることで生まれる「物語経験」に注目する。
本書では、ナラティヴ・アプローチを用い、具体的事例の分析を通して、生産者や地域の担い手など多様なアクターとの相互行為のなかで、旅行者が物語経験を形成していくプロセスを明らかにした。消費経験としてのフードツーリズムを、いかに物語経験へと昇華できるのか。その理論的枠組みとして「フードツーリズムにおける物語経験の展開プロセスモデル」を提示する。
フードツーリズム研究に新たな視点を提示するとともに、研究者のみならず、地域づくりや観光実務に携わる人々にとっても、理論と現場を往還するための知見を提供する一冊となっている。
【目次】
はじめに―本書が目指すところ
第1章 〈旅〉と〈食〉のかかわり
第1節 〈旅〉と〈食〉のかかわり
〈1〉 旅行行動における〈食〉の位置づけ
〈2〉 日本の〈食〉を取り巻く環境と課題
第2節 〈食〉をコンテンツとした観光の展開
〈1〉 B 級グルメから〈ご当地グルメ〉へ
〈2〉 1970 年代以降の〈旅〉と〈食〉の関係
第2章 既往研究の整理と本書の位置づけ
第1節 フードツーリズム研究の整理
〈1〉 フードツーリズムの変遷と定義
〈2〉 フードツーリズムと類似の概念
〈3〉 フードツーリズムの具体的事象に関する研究
第2節 コンテンツツーリズムの理論的研究の援用
〈1〉 コンテンツツーリズムの変遷と定義
〈2〉 コンテンツツーリズムのナラティヴに関する研究
〈3〉 コンテンツツーリズムのアクターに関する研究
〈4〉 コンテンツツーリズムの具体的事象の研究
第3節 フードツーリズムとコンテンツツーリズムを連関させた既往研究
第4節 本書におけるフードツーリズムの定義
第5節 既往研究における本書の位置づけ
第3章 物語経験の展開プロセス
第1節 はじめに
第2節 ナラティヴについて
〈1〉 ナラティヴとストーリー
〈2〉 ナラティヴモードと論理 – 科学的モード
〈3〉 ダイアローグとモノローグ
第3節 観光とナラティヴの関係性
第4節 オーセンティシティに関する議論と本研究における整理
第5節 オーセンティシティとパフォーマンス
第6節 物語経験の展開プロセス
〈1〉 〈食〉をメディアとして位置づけること
〈2〉 物語経験とアクセス
〈3〉 物語経験におけるアクターの整理
〈4〉 フードツーリズムにおける物語経験の展開プロセスモデル
第7節 方法論としてのナラティヴ・アプローチ
第4章 ケース・スタディI 海女小屋〈はちまんかまど〉
第1節 事例の概要
〈1〉 海女について
〈2〉 鳥羽・志摩地域における海女の活用
〈3〉 海女小屋〈はちまんかまど〉について
第2節 調査分析手法
〈1〉 データ収集の手法
〈2〉 調査分析手法
第3節 感想ノート(日本語)の計量テキスト分析調査
〈1〉 頻出語の抽出
〈2〉 共起ネットワーク
〈3〉 コロケーション統計
第4節 感想ノート(英語)の計量テキスト分析調査
〈1〉 頻出語の抽出
〈2〉 共起ネットワーク
〈3〉 コロケーション統計
第5節 小 括
第5章 ケース・スタディII 〈ビールスタンド重富〉
第1節 事例の概要
〈1〉 日本とビール
〈2〉 流川・薬研堀地区の変遷
〈3〉 〈ビールスタンド重富〉について
第2節 調査分析手法
〈1〉 データ収集の手法
〈2〉 調査分析手法
第3節 来店客分析
〈1〉 来店客の属性
〈2〉 入店待機時間と店舗内滞在時間
第4節 会話分析
〈1〉 来店客へのファーストアプローチ
〈2〉 ビール注ぎからビールの提供
〈3〉 ビールの提供からビールを飲む
〈4〉 ビールを飲んだ後
第5節 小 括
第6章 ケース・スタディIII ゲストハウス〈暮らしの宿 福のや、〉・〈大野岳の麓 茶や、〉
第1節 事例の概要
〈1〉 鹿児島県南九州市頴娃町について
〈2〉 NPO法人頴娃おこそ会について
〈3〉 〈暮らしの宿 福のや、〉・〈大野岳の麓 茶や、〉について
第2節 調査分析手法
〈1〉 データ収集の手法
〈2〉 調査分析手法
第3節 インタビュー調査1の SCAT による分析結果
〈1〉 カテゴリー別内容分類
〈2〉 カテゴリー別の SCAT による分析例
〈3〉 ストーリー・ライン
〈4〉 理論記述
第4節 インタビュー調査2の SCAT による分析結果
〈1〉 カテゴリー別内容分類
〈2〉 カテゴリー別 SCAT による分析例
〈3〉 ストーリー・ライン
〈4〉 理論記述
第5節 小 括
インタールードI ハートンツリー
インタールードII 茶舗焙焙焙
インタールードIII えどがわメティ
インタールードIV リバーブックス
第7章 総合考察
第1節 論点の整理
第2節 論点1メディアとしての〈食〉
第3節 論点2物語経験の実現
第4節 論点3ダイアローグ化したナラティヴ
第8章 結 論
第1節 本書の総括
第2節 本書の限界
第3節 今後の展望
おわりに
参考文献




